巻取は加工業界において、材料を高品質なロールに加工し、次の使用に最適な状態に仕上げるという重要な役割を担います。適切な種類の巻取機を選択することは、製品の完全性を維持し、不良を防ぎ、生産効率を最適化するために不可欠です。本記事では、4種類の主要な巻取機: 表面駆動巻取機、中心駆動巻取機、タッチローラ付き中心駆動巻取機と中心・表面駆動併用巻取機について、それぞれのメカニズム、張力制御方法、適した素材と主な利点にフォーカスして解説します。
巻取とは?
加工業界において、巻取とは大型ロールの加工における最終工程です。材料が巻き出され、狭幅にスリットされた後、更なる加工あるいは流通するために、小さなロールに巻きなおされます。完成品の表面を滑らかで均一にするためには、行程全体を通して正確に張力制御をすることが不可欠です。巻取速度、素材特性やロール表面と巻取機間の摩擦といった要素を注意深く管理する必要があります。
巻取機はロールのどの部分がモータによって駆動されるかによって分類されます。主な4種類は表面駆動巻取機、中心駆動巻取機、タッチローラ付き中心駆動巻取機、そして中心駆動巻取機・表面巻き兼用巻取機です。
巻取機の種類:表面駆動巻取機、中心駆動巻取機、タッチローラ付きの中心駆動巻取機と中心・表面駆動併用巻取機
1. 表面駆動巻取機(サーフェスワインダー)
メカニズム:
モータは駆動ドラムにエネルギーを伝達し、駆動ドラムを回転させます。駆動ドラムは、ローラ表面とドラム間の接触摩擦によってローラを駆動します。
張力制御:
回転速度を調整することで張力を調整します。トルク(回転力)は、コアではなく材料の表面に直接作用します。
適した材料:
織布、不織布、紙など、表面が高摩擦に耐えられる素材。表面駆動巻取機は、コアを回転させないため、デリケートなコアや、変形しやすいコアを持つ材料に適しています。
完成品の特徴:
製品はしっかりとロールに巻取られます。しかし、張力制御が正確でないと、ずれ、表面の傷、あるいは過度な圧縮が発生する可能性があります。
予算:
シンプルなメカニズムのため、表面駆動巻取機取機は費用対効果が高いです。
2. 中心駆動巻取機(センターワインダー)
メカニズム:
モータは巻取マンドレル(回転軸)に直接エネルギーを伝達し、ロールをコアから駆動します。
張力制御:
材料のコアを回転させることで、均一な張力分布が可能です。しかし、表面には力が加わらないため、層間の圧力は最小限に抑えられ、ロールの巻取精度に影響を与える可能性があります。
適した材料:
- 巻出、切断、加工時に不良を防ぐために、丁寧な取扱いが必要なプラスチックフィルムなどの感圧性材料
- 過度の締付をしないように巻取る必要があるストレッチフィルムなどの弾性材料
- 巻取時に表面圧力を必要としない金属箔や厚紙などの硬質材料
完成品の特徴:
層は均一に巻取られますが、速度と張力を正確に制御しないと、ロールは緩すぎる可能性があります。
予算:
より複雑な構造で、正確なトルク管理が必要なことから、高品質の駆動システムが必要なため、中価格帯となります。
3. タッチローラ付き中心駆動巻取機
メカニズム:
中心駆動巻取機とタッチローラシステムを組み合わせたメカニズムです。モータが直接材料のコアに駆動し、タッチローラが張力を安定させ、層間の圧力を調整します。
張力制御:
モータはコアを直接回転させ、内側から外側へ巻取張力を制御します。同時に、タッチローラが外層に圧力をかけ、内層圧縮を調整することで、より均一で安定したロール構造を実現します。この二重制御により、正確な張力管理が可能となり、空気の混入や巻きムラなどの不良を防止します。
適した材料:
多層フィルムやラミネート材など、瑕疵許容度が低く、空気の混入が許されない材料。
完成品の特徴:
滑らかで高密度の層で隙間がなく、均一で、高精度なロールを製造します。
予算:
複雑な巻取構造と高精度な部品を採用しているため、コストは高くなります。しかしその二重制御システムは、優れた張力管理を実現し、無駄や不良を削減し、生産効率を最大化します。完璧なロール品質が求められる場合、この投資は大きな価値をもたらします。
YO DEN(友典)の中心駆動巻取機はすべてタッチローラを搭載しており、安定した高精度な巻取を実現します。プラスチックフィルム、ラミネートや紙などの加工には汎用型中心駆動巻取スリッター HIS が最適です。独立した巻出ユニットと巻取ユニットにより、正確な張力制御が可能で、将来的に加工設備を追加できる柔軟性も備えています。
高効率の巻取と最適化されたラベルストック製造を実現するために、高速型中心駆動巻取スリッター ULTRA/ UHS-IIは、その強力な駆動システムにより、要求の高い加工用途にもスムーズで信頼性の高いオペレーションを実現します。
4. 中心・表面駆動併用巻取機
メカニズム:
コアとタッチローラはそれぞれ独立したモータによって駆動されるため、張力、表面圧力、摩擦力を安定させることができます。この構造により、コアの回転力と外部接触力の最適なバランスを実現できます。
張力制御:
トルクはコアとタッチローラ両方に作用するため、汎用性が高く、制御性に優れています。これにより、正確な張力調整が可能になり、ずれや巻きムラなどの問題を防止できます。
適した材料:
この巻取機は、中心駆動巻取機、表面駆動巻取機やタッチローラ付き中心駆動巻取機で対応可能なあらゆる材料を加工できる最も汎用性の高い巻取機です。滑り性の高いフィルム(BOPP、PET、PE)、伸縮性フィルム、厚手複合材や多層ラミネートなど正確な張力と圧力制御が必要な材料に特に適しています。さらに、トルクの制限があるため他の巻取機では扱いづらい大径紙ロールの巻取にも最適です。
完成品の特徴:
正確な巻取で、均一な層圧縮と最小限のエアギャップを実現したロールを製造できるため、高品質で高性能な製品を求めている場合には最適です。
予算:
デュアルモータ駆動システムと高度な制御メカニズムを備えたこの巻取機は、最も高価な巻取機です。しかし、その優れた精度、柔軟性と大径ロールへの対応力は、特に厳格な張力と圧力制御が求められる用途において、その投資に見合うだけの価値があります。
大径ロールを扱う企業に、YO DEN(友典)の紙類専用スリッター(型番: SLIT-B)は、高精度なスリット加工と巻取を実現できる高効率ソリューションをご提供いたします。その堅牢な駆動システムと高度な張力制御は、スムーズな稼働を実現し、幅広・大径ロールの加工に最適です。生産性を向上させながら、ロールの精度を維持できる、信頼性と性能に優れたスリット加工システムをお探しなら、YO DEN(友典)の紙類専用スリッターは最適な選択肢です。
まとめ
結論として、適切な巻取機は材料の特性、ロールのサイズ要件と生産ニーズによって決まります。表面駆動巻取機は、費用対効果に優れ、高摩擦に耐えられる素材に適しています。一方、中心駆動巻取機はデリケートで伸縮性のある素材に適した繊細な巻取加工が可能です。タッチローラ付き中心駆動巻取機は、層間圧縮を制御することで精度を向上させます。一方、中心・表面駆動併用巻取機は、最高レベルの制御性を備え、大径ロールや高精度用途に最適です。これらの違いを理解することで、メーカは巻取品質を最適化し、作業効率を向上させることができます。
高性能な巻取ソリューションをお探しのお客様に、YO DEN(友典)は効率性と信頼性を重視した精密設計スリッターをご提供いたします。プラスチックフィルムやラミネート加工用の多用途機から、大型紙ロール用の高耐久性スリッターまで、YO DEN(友典)は最適なソリューションをご提供いたします。生産性の向上と効率の最適化のために、是非お問い合わせ ください。